ポケットに収まるドイツの英知 ― Pico(LAMY)
2016年の月も2桁に突入しました。肌寒い季節がやってきましたが、常に財布や預金口座といった、「南極大陸もかくや」みたいな寒さをポケットやカバンに入れて持ち歩いているのでなんのそのです。
2桁の月と言えば、Xmas!楽しみで仕方がありません。特に頭や顔以外は悪いことをしないままなので、今年こそは欲しかったプレゼントをサンタおじさんが持ってきてくれるに違いありません。
少なくとも。手厚い老人保護のために、、、医療費や年金のために、、、。我が身を削って、というか削らされて源泉から無慈悲に徴収されていっているのだから、生活は保障されている。もうあまりに削られ過ぎて、かつおぶしみたいになっている。畢竟、今年こそは年に一日くらい欲しいものを持ってきてくれるに相違ないと確信するものである。
何が欲しいのかと考えると、だいたい3つくらいに絞られます。死んだ魚の眼でフラフラ生きている人は「お金」とか「大金」とか言うけれど、僕は夢を抱き続けておとなになってきた男。死んだ魚の眼なんて無縁で、チューリップな頭と大事なものだけがなぜか見えない眼で生きています。
一つは斬魄刀、もう一つは如意棒かライトセーバーか、パーマンセット。これにはひとつの共通点がありました。
数々の記事を通して、頭がパーマンなのには定評がある僕ですが、パーマンセットの携帯性に憧れていました。普段は消しゴムみたいな大きさのパーマンセットなのに、ごしごしこねると、あっという間にヘルメット、マント、バッジに変わります。そして身を隠して空を飛んで、困っている人を助けにいくわけです。
まぁ、いまでも「無法松」とか「WORKMANショップ」とか荒々しい殴りモンの憩い場みたいなお店で安全ヘルメット、マントみたいなものは揃えられるでしょう。屈強なブーツとか。バッジはあまり思いつかないので、妊婦バッジでもつけておけば現代パーマンのできあがりです。でも、あの携帯性は実現できない。
如意棒もおんなじで、単なる鉄パイプみたいなものに伸縮機能が備わるだけで、どえらい凶器に変貌します。手ぶらにみせていきなり伸ばして襲い掛かったり、相手につっかけて果てしなく遠くまで伸ばしたり。そんな凶器も普段はコンパクトな細い棒。現代社会で細いコンパクトなパイプを持ち歩いていると、田舎の駅広場とかではオラついた自転車に囲まれてしまうかもしれませんね。でも、こんな強力な武器があればだいじょうぶ。ライトセーバーもちょっとした柄の部分を持ち歩くだけで、あんな凶器です。実際に開発されれば棺に入れるのも、守り刀とかじゃなくてライトセーバーになると思います。
現代においては「さすまた」と呼ばれる道具があります。これは、鉄製の長い棒があり、それに半円の形をした鉄製わっかがついているのです。いざというときには不審者を、複数人でこの道具を使って壁に押し付けます。刃物とかもってても、このさすまたがあれば安心。
「御用だ御用だ!」とか叫びながら、みんなで複数のさすまたを使って押し込むと、壁際で全身を拘束することができます。
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しかし、安全性上それなりの大きさであり、いくら身の安全を守るためとはいえこんなもの持ち歩いている方が不審者です。
私に限らず「携帯性」というのは、日本が技術の粋を集めて追求してきました。パンチングな髪型の人が持っているセカンドバッグよりもさらに大きい、携帯用のりかちゃんハウスみたいな大きさだった携帯電話は、今やテレビやカメラなど機能もりもりでポケットに入ります。ゲーム機も小さくなりました。
携帯性に富むことは、その道具の活躍できるシーンを増やすとともに、小型化という機能向上の証でもあったのです。そこで今回は、この携帯性に優れたペンを紹介したいと思います。
Pico(LAMMY)
ラミー社製のPico(ピコ)です。このペンは機能性に優れ、、あまりにも優れ過ぎて何回か紛失しました。
普段は、一見してペンだとわからないような丸っこい棒です。ポケットに入れていても、何の苦にもなりません。
分かりやすいように大きさを「MONO消しゴム」と比較。マットクロームのペンなので分かりにくいですが、「LAMY」ロゴのプレートが消しゴムの「M」の上あたりについていまして、それが転がり防止ストッパーの役割りを果たしてくれます。
こちらは同じくLAMYのALSTARと比較。
カラーバリエーションも豊富でいろんな色があるのですが!色は傷などで剥げ落ちてくるので、最初からもう諦めてる感漂うマットクロームを選びました。
伸びる
一回、ペンをノックする(というよりも押し込む)と、伸びます!伸びるんです、雄々しく!元から太くてすっごく硬いし、おっきくなるし、さきっぽから何か出てくるんですよ!
で、アルミ製なので硬いのは当たり前で、ボールペンなのだから当然、リフィルのペン先が出てきます。
RHODIAのScRiptもそうでしたが、ペン先が見えるというのは自由なドローイングのときに大きな役割りを果たします。自由に描いた(書いた)ものが自分にとってクリアとなり、それは脳のクリエイティブなところを刺激してくれるのです。
このpicoのペン先も非常に独特で、描いているところがしっかり見えるようになっており、それが心地よい筆記感を出してくれます。
ペン自体の長さは、92mm→123mmと、そそり立ってテントとか張る勢いで伸びますが、携帯時は非常にコンパクトです。
リフィル
リフィルはラミーお得意の超独自変態規格で、M22。「ジェスト化?ナニソレ」と期待を木端微塵にする規格です。
最初、あまりにもかすれてほとんど筆記できなかったため、ヒン曲げてくれようかと思ったのですが、文具店でリフィルを交換したところふつうに筆記できるようになりました。最初は少しかすれますが、まったく許容範囲内です。
シーンを選ばない
高い携帯性は、先にも述べたとおり活躍するシーンが広がります。つまり、時も場所も用途も選ばないのです。独特な機構のペンですが、リフィル、ペン先がグラつくということもありません。先日紹介した測量野帳やスケッチブック、急なメモのときなど利用しています。
唯一の難点は、無くしやすいこと。転がり防止プレートがあるせいか、クリップなどはありません。だからこそ気軽にポケットに放り込めるのですが、無くして再び買うときは同じように気軽にとはいきません。
しかし、それを置いてもなお、魅力を感じずにはいられません。
「洗練されたデザインとドイツの英知をポケットに。」
クリスマスのプレゼントなどに、いいかもしれませんね。ノートや手帳を絶えずもち歩く人、社会人にもおすすめできる一本です。
それでは、また次回。