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いろは。

手帳・文具中心の雑記系ウェブログ。

奥ゆかしさの向こう

雑記

 曖昧な表現によって勘違いしてしまう経験は誰にでもあると思います。

 まるでマリオの敵キャラみたいにボディタッチしまくってくる女性を意識しはじめ、やがて告白して玉砕する。サークル構成員でもないのに単身海の家に赴き、ほうほうのていで逃げ帰る。「先っちょだけ」のはずだったのに。

 このような行動による勘違いはたくさんあります。さらに、私たちの日本語もまた奥ゆかしい。それゆえに勘違いしやすい言葉でもあるわけです。

 

 

 鼻炎と結膜炎という、まるでバイリンガルとでも言いたげなアレルギー症状を保持している私は、この季節の変わり目の時期がつらいです。

 鼻水と一緒に良識とか知識とか常識とかも一緒に吹き出していってそうで、その度に頭から「大切な何か」が飛び出ていってしまうのです。

 その症状は深刻を極め、ここ数日間、キーボードのホームポジションに指を置いてもまったく動かない状況だったことからも伺えます。

 

 しかし、いい年した大人が鼻タレではいけません。デレ助が!とかあらぬ中傷を受けて、仕事にも支障をきたしかねないのです。そのためポケットティッシュは必需品です。

 まるで思春期の中学生みたいな勢いでティッシュを消費するのですが、 鼻はかみすぎると皮膚が痛くなってきます。もうひりひりで「粘膜的なもの露出ってんじゃない?」みたいな感じになるのです。

 

 乾いた潤いのないペーパーでかみつづけるので、皮膚が擦れて痛くなってくるのも無理はありません。せめてものケアとして「鼻セレブ」とかを使って、顔面の一部だけセレブリティな生活を送るくらいが関の山なのです。

 

 いくら鼻セレブとはいえしょせんはティッシュ。思春期を迎えてるとか、使う人によっては鼻じゃないところがセレブになる可能性もあります。股間がセレブリティな人も多いはず。

 使用方法にのっとり鼻をかみつづけていても、石の上にも三年!とばかりに鼻をかみ続けていれば痛くなるのです。

 

 もう、この状態になったら悲惨で、鼻は痛いのに鼻水は悠久の流れを見せつけてくれます。これ以上いろんなものを頭部から垂れ流すわけにいかないので鼻をかむ。セレブ過ぎて痛い。という負のスパイラルアップが形成されるのです。

 

 一度、出先で相手方へ向かうときに、鼻がどこかの海開き感謝祭みたいな様相を呈していました。あいにく鼻セレブは切らしている。そうなると当然、紳士のたしなみとしてコンビニでティッシュを買い足す他ありません。しかし、相手とのアポの時間も迫っている。さっさと購入して、溜まってるものをすっかり抜いて相手のところに向かうに限ります。鼻水ですが。

 

 急いでコンビニに入ったところ、パっと目についた商品がありました。広告業界では常套の手段ですが、アイキャッチ→コピーという強力なコンボによって訴求されましてね。思わず反射的にずばっととってレジへ向かいました。

 

 ウェットティッシュってご存知でしょうか?普段使っているティッシュが爽やかに湿っていまして、汗を拭いたり、デリケートなところを吹いたり、デスクの上にこぼしてしまったお弁当のソースをふき取ったりと、非常に汎用性の高い衛生物品です。

 鼻セレブもセレブには違いがありませんが、乾いているティッシュでしかありません。ここに潤いが加われば、鼻も衛生的にかめるのではないか。そう思った私の判断は、間違ったとは思っていません。

 

 「肌へのやさしさプレミアム」とかエレガントなフォントで慎ましく書いてありまして。木々を思わせる爽やかなライムグリーンの袋の中央には「しあわせ素肌」と、とてもやさしい、木漏れ日のようなやわらかいコピー(商品名か?)が大きな存在感であしらわれていました。

 

 これはもう、明らかに鼻セレブなんかよりも肌ケアを意識していますよ。こういう商品でならもっと鼻をワイルドにかめるかもしれない。私は商品を掴んでレジに並び、財布を取り出しました。

 

 「多い昼用」

 いえね、いい年ぶっこいた大人が鼻水垂らしながらこんなもんもってレジに並んだ日にはちょっとした事案ですよ。

 しかしなんでこういう製品は、使い心地とか、さらさらふわふわばっかり強調して、肝心の商品がなんだかわかりづらくなっているんだろう。いえ、女性からすれば定番なのかもしれません。慣れている面もあるでしょう。しかし、男性の場合、そうは問屋がおろしませんぞ!

 

 特にアレルギー等がひどい場合は、肌へのケアも必要になってきます。そこに肌へのケアばかり全面に押し出した商品があったら思わず手にとってしまってもしかたがない。

 私の冷静沈着な思考と観察眼によって、すみーっこにかかれた「多い日も安心」とかいう文言の発見によってことなきを得たわけですが、もうちょっと分かり易くしてはいかがか。

 「しあわせ素肌 F」しか見えない。商品名が分かっても男性はピンとこないかもしれないが、もっと商品のビジュアルによる差別化がなければ、おくゆかしい日本語との抜群な相性のよさも手伝って、私のような悲劇が起こりかねないのではないでしょうか。

 

 さっさとレジの列から退散しまして、ダブル保湿の潤いティシュ「鼻セレブ」を取り直して列に並びました。あまりの奥ゆかしさによって致命的なことが伝わらないという悲劇は、他の皆さんにも経験がおありではないでしょうか。

 

 テキストで何かを伝えようとする私にとっては、何かに気付かされた重要な出来事でした。なにこのクソ記事。