Personal Organizer Lab.

システム手帳・文具中心の雑記系ウェブログ。

CARAN D'ACHE

 さまざまな情報が縦横無尽に駆け廻るインターネット。フェイクニュースも飛び交い、もはや「情報をどう取得するか」ということは些末な問題に過ぎず、「情報のクオリティをいかに判断するか」というリテラシーが重要視されるようになった。
 世の中には多かれ少なかれ、偽の入り混じった情報が多分に流通しているのである。女性にも性欲があり、ことと場合によっては自慰行為や逆レイプなことも辞さないという情報を鵜呑みにした私を、誰が責めることができよう。

 

 そんな電脳世界においてこの『いろは。』は、偽というかむしろ卑猥の権化なテキストと申し訳ない程度の手帳・文具・書籍に関する記事で構成されている。いま、「理科系の作文技術」を読んでいる。自分のブログを見返すと、理系の文章作法および原則を、一つずつ丁寧にぶん殴ったような形態で成り立っていることが分かった。
 なるほど!こうすれば分かりやすくなるのか。今後気をつけよう。といった気付きを与えるよりも、「よし、間違ってなかった。このまま突き抜けよう」と決意を新たにさせてくれた本書には感謝の念が絶えない。

 

 私は突き抜けなければならない理由がある。先日、Twitterでの出来事だ。フォロワーさんが、息子さんの部屋に掃除という大義名分を持って徹底捜索を敢行しようとしたところ、机の上に私の拙作が置いてあったという。

 

 


 なんと知らず知らずのうちに親子で『いろは。』を読んでくださっていたのだ。これはもはや「さきっぽだけ」とかいうわびさびに富んだゾーニングから、知らず知らずのうちに全部いっちゃってたという事態とはまるで異なる。この記事を機に、親子関係が冷え込まないかが心配である。
 特筆すべきは、その息子さんが友人たちとこのブログを閲覧してくれているということだ。それはもはや、JKが含まれているというこに疑う余地はない。ならば私の選択肢は2つに絞られる。

 1.ワーキャー言われるためにインテリジェンス光る記事にシフトする
 2.インターネットを介した対遠隔JK文学的セクハラを展開する

 結果はごらんのとおりである。むしろ1を選択したくても、そんなものが書けるなら苦労はしないのだ。息子さんにはこれからも、主に多部未華子さんに似たJKを中心に布教を期待するものである。


 さて、先日は木軸のペンについてその想いを語った。何も知らぬ人が読めば、私がまるで木軸のペンと一夜を共にして腰を振り合ったとあらぬ疑いをかけられそうなほど、熱い愛を綴ったのである。私は木軸のペンを愛している。「木軸でないペンなどもう二度と使えない」といった、るろうに剣心みたいな誓いを立てたら若干ロリコン入ってた、みたいな悲劇でもある。しかし元来、熟女愛好家であるので、ロリコンが入ったところで一般人と同等な趣味になることになり、むしろ私にとっては喜ばしいことではないか。

 今回、新たな仲間が加わった。スイスのメーカー「カランダッシュ」のエクリドール(ボールペン)、849コレクション(ボールペン、シャープペンシル)。シルバープレートの削り出しで、もはや木軸のぬくもりとかの要素が一切ない。

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 お前の木軸への愛はどうしたと非難されるかもしれないが、忘れてはいけない。私は自在に前言とかを撤回できる男だ。今日の熟女好きは明日のロリコン。それくらい人とは変わりゆくものなのである。

 Orenzneroが、多数の緻密なパーツで組み上げられていることは有名だが、このカランダッシュは逆に必要最低限のパーツで構成されている。本体、バネ、キャップ。以上。これにリフィルを突っ込むのである。

 本体は本体で、つなぎ目がなく、一本の軸が削り出されたかのようになっている。ゆえに丈夫なのだ。鉛筆を思わせる六角形はカランダッシュアイデンティティでもあるが、その芯のダイレクトな書き味には、多数のパーツは不要なのだろう。シンプル、ゆえに丈夫。鉛筆を見事に昇華させている洗練されたフォルムに惹かれた。

 またサイズにもカランダッシュのこだわりが見れる。ペン先を出さない状態での長さは、先端からノック部までで、約130mm。一見短いようにも見えるが、手に取って握ると不思議と書きやすいのである。削りたての鉛筆は、長く重心がしっくりこない。ある意味で鉛筆は、長さがそのまま筆記距離につながるため、書きやすさよりも芯のもちを考慮しなければならない。使っては削っていくうちに、使いやすい長さに収まるのである。
 カランダッシュは、この使い込んでちょうどいい塩梅になった鉛筆の長さを意識していると思われる。

 今回の誘惑は、主にカピバラさんの、Stationery Life(http://digital-camera.jp/)の記事によるものだ。記事を読んだ瞬間「これは卑怯だ!」と憤怒の形相に駆られながら販売店を検索していた。まさしくそのときの私は、インターネットサーフィンで情報の海原を駆け渡るパイレーツ、むしろカリビアン・ドットコムだったのである。そこまでの強い衝撃を与えた記事なので、ペンについての詳細はカピバラさんのブログに譲ることにする。

 

digital-camera.jp

 


 まずエクリドールを購入した。その書き味はとてもなめらかだった。ジェットストリームやアクロインキは行き過ぎた感がある。もはや油性を逸脱した液体なのだ。その意味において、カランダッシュのゴリアットリフィルは「油性の中で最高の書き味」であると思う。パイロットのDr.Gripボールペンではじめて書いたときに感覚を思い出した。

 そうなるとがしがし使いたくなるのが人間というもの。つづいてエクリドールの廉価版、オフィスユーズ版として849シリーズが欲しくなった。私は無敵である。エクリドールで、すでに諭吉を射出して金銭感覚など麻痺した私に怖いものなどない。油性ボールペンとシャープペンシルAmazonを介して召喚した。

 鉛筆特有のコンパクト感は、FiloFaxのシステム手帳にもなじむ。FiloFaxのペンホルダーは、だいぶベルトが細くてペンを選ぶ。しかしエクリドールはそのコンパクトさとさりげない存在感で、愛着を持たせてくれる。

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 なぜかシャープペンシルが2本届き、”指名した写真と明らかに別人なのに、チェンジを言い出せずにことを終えた人”みたいな空気で注文を確認したら、確かにシャープペンシルを2本購入していた。例えば、股の間のポニョがもう一本追加オーダーできるとしても、私は固辞するだろう。1本で十分、むしろそれすら持て余す。おなじくシャープペンが2本あっても、護身用に突き刺すくらいしか用途が思い浮かばない。

 自分の過失であるので甘んじてシャープペンシルを2本受領し、新たにボールペンを注文した。シャープペンシルの一本は実弟に進呈することにした。レターパックで送ったのだが、男から男への贈り物だと同性愛だと勘違いされるかもしれない。しかも当然、同じ姓であるから兄弟間の同性愛という、役満といっても過言ではない勘違いをされる恐れがある。


 それだけは避けてあげたいと思うのが年長者、兄としての役割りだ。私は内容物(品名)の欄に、力強い筆致で「TENGA」と記入した。しかし、横文字では理解できない人もいるかもしれない。念のため「アダルトグッズ在中」と朱書きして投函した。

 ところでレターパックライトというのは、ポストに投函されるものだと思っていた。しかし、不在票が入っていたらしく、荷物の受取は週末になるという連絡を実弟からもらった。約1週間もの間、ISISあたりのテロを疑われそうな内容物が記載されたパックが保管されていると思うと、込み上げてくる胸の熱さを禁じ得ない。

   しかもそれの直接手渡しである。激おこな鬼電が予測されるため、週末はスマホを放置しようと思う。


 普段は太い軸のもの(TIME LINE Past)を使っていた。はじめて体験した高級筆記具であるDr.Gripの体験が、いまなお脳裏に刻み込まれているのであろう。けれど、はじめてものを本格的に書いたのは鉛筆である。これから卑猥なレターパック郵便局員から直に手渡されるというすさまじい運命が待ち受ける弟とも、プリントを並べて鉛筆で書いて勉強した。

 書きやすい、書いていて疲れにくいのは太い軸のペンかもしれない。しかし、カランダッシュのペンは、ものをかきはじめた遠く幼い記憶を私たちに蘇らせてくれるのである。

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