システム手帳論考4_【私的な情報のトリセツ】
今の世の中は情報に溢れすぎています。
それはもう、「ネットに無い知識はない」くらいの勢いで、モザイクの向こう側まで観れてしまうのですが、その弊害も見逃せません。
正しい情報ばかりではなく、誤ったものから、人を陥れようとする情報まで蔓延しているのです。特に最後は許し難い。純粋無垢な好奇心から、勇気を振り絞って入口をクリックしたら数万円とか、今にも近所で落ち合い、電車でGO!みたいなノリでホテルへGOな女性とメールするためにポイント数万円とか、ほんと許し難い。
情報あふれる現代社会だからこそ、その情報の取り扱いは心得ておくべきだし、なんでも鵜呑みにしないというのはまず第一鉄則なわけです。
さもないと、「ワクチンは意味がない。病院が設けるための陰謀!」とか、「子宮温暖化で活性化!」とか、「放射能で鼻血ブー!」みたいなことを公衆の面前でのたまう、頭がパープリンな感じになってしまいます。
いまのところ私はすんでのところで留まって、パープリンまではいかずパープーなレベル、日本語で表すなら久々に携帯越しに母親から言われた「抜け作」というのが的確な表現だと思うのですが、もはや危ないところまで落ち込んでいることは否めません。社会の最先端から撤退を余儀なくされているのに、社会問題の最先端を邁進中です。
さて、今回はシステム手帳をブンブン振り回しながら使うにあたって、この『情報』について考えてみたいと思います。はっきりいって尿意を催して若干はみ出るくらいつまらない回になるかとは思いますが、私がシステム手帳を扱う上で重要視しているところなのでお付き合いください。決して無駄にはならないかと思います。
そして、あくまでも私見であることをご承知おきください。
複数冊使いの真相
私は「システム手帳は、すべての情報を集約できる!」とか言いながらチンパンのごとくシステム手帳を連呼して広めています。
ところがその一方で、他にもメモ帳やスケッチブック、他システム手帳なども同時に使っています。これはいくつもの国籍とアイデンティティーを怒涛の勢いで振り回すという、いわゆる蓮舫状態なのか?そこを明らかにしなければなりません。
そこでまず、「ひらめき」、「アイデア」、「思考」について整理してみましょう。
ひらめきをアイデアにする
さて、ひらめきとアイデアは違います。私の中でひらめきは「思考のきっかけであり、使い物にならない状態のもの」です。逆にアイデアは「すぐにでも実行可能な思考の結果」ととらえています。
まったく意味不明ですね。私も言っててわかりませんので、整理してみました。
▲脳は常にカオス状態で、そこから産み落とされたひらめきは、まだまだ不安的で危なげない状態。
思いつきやひらめきは、能のカオス状態を突き抜けて産み落とされるアイデアの種です。しかし、このままでは漠然としすぎて何にも使えません。
このアイデアの素であるひらめきは、ひっぱって叩き、こねくり回してそれから「歯磨きもってきて」と襲い掛かるような加工作業を通して初めてアイデアの輪郭を与えられます。
具体的には、新しい視点から見れないか(目の付け所はシャープか?)、いくつかの視点からの検討、拡張、必要な情報の補足(調べものして資料を追加するなど)、整理・分類などを経て、もやもやしていた閃きが、やがてアイデアの形を帯びてきます。私はこの作業を整形・加工作業と呼んでいます。
私のかつての同僚の例をもとにケーススタディしてみましょう。
閃きの整形・加工作業ケーススタディ
しかし、突然閃きます。法廷などで白黒つけるよりも、法では与えられない罰を与えたほうが効果的ではないか。裁判は終わるが俺の復讐は終わることは無いのだから!
さぁ、まずはここで閃きました。しかし、法治国家たる我が国において、法を差し置いて自らの手で正義の鉄槌を下すことは決まりましたが、さてどうしましょう。アイデアはありますが、まだ実行には程遠いですね。まずは手持ちの武器を整理しましょう。
■課長と係長はいつもいっしょにいる。係長は昇進を狙っているようだ。
■課長の奥さんは課長に嫌気がさして実家に帰っているが、その住所は分からない。
ふむ。そうだ!口座情報は分かるのだから、いくらか適当に振り込もう!そして、振り込め詐欺の被害にあったと警察に届ければ財務省から口座凍結されるだろう。まてよ、やつらの口座情報をもとに迷惑メールの振込先を書き換えて拡散してやろう、他にも通報者がでるかもしれない!
おやおや、手持ちの情報を整理するとひとつの具体案が浮かびましたね。けれども重要なことを忘れています。すこし視点を変えてみると、いくらか不明なお金が振り込まれれば、どこから振り込まれたのか確認します。そこから足がつくかもしれません。また、迷惑メールの脅したお金の振込先を課長らの口座に書き換えて拡散するというのも妙手ではありますが、そこでも足を残してしまうことになるかもしれません。
(←戦略系ビジネス書からの受け売り情報追加)
待てよ。悪意がばれないように考えるからだめなんだ。むしろばれる前提で考えて、ばれても陽気におどけてごまかせる手段を考えればいい!(←発想の転換)
いよいよアイデアが形になってきたようですよ。
一見、民家にしか見えないマンションの一室が隠れフレンチ店になっており、宣伝も何も行っていない。予約も不可。チャイムを押して、誰もいなければ驚異的に安い本格フレンチが食べられる。時期が近いし、クリスマスはもっと特別なスペシャルコースサービスにしといてやるか。
こうして、一つのひらめきは整形・加工作業を通して実体を持ち、スペシャルな計画、つまりアイデアにまで昇華されました。
しかし残念ながら、有名フレンチの写真を収集するという道半ばで飛ばされてしまうという結末を迎えたときには涙を禁じ得ませんね。あくまで例え話ですが。
一元化集約のフロー
さて、みてきたように閃きや思いつきはそのままではアイデアとして機能しません。そのため加工作業が必要なことは先に見た通りですが、この作業をシステム手帳でやっていたのではもったいない。システム手帳にはアイデアさえ詰まっていればいいや、というスタンスで使っています。さて、下の図をみてください。
私の情報フローになっています。世の中いろんな情報があふれているのはミニにタコなくらい言ってきました。そしてそれぞれに収集アンテナを立てているのです。
ひらめきなんて、いつなんどきくるか分かりません。極端な話、夢でひらめいたり、もしくは男性ならばティッシュ片手の賢者タイムになにかが舞い降りるかもしれません。そのときはメモです。
本などを読んでいてなるほど!と思ったときは読書ノート、またWebでの情報はいちいち紙に落とすよりもEvernoteなどの外部脳サービスにまとめて放り込んだ方が便利ですね。
情報加工のしようがないスケジュールやライフログ、名刺などはそのままシステム手帳に放り込みますが、それ以外は必ずスケッチブックを経由します。
入口はそれぞれにいくつあっても、必ず集約されるポイントががあれば迷子になることはありません。
そして、そのスケッチブックでペンをがりがり動かして情報を加工するのです。そのときにはなるだけ紙が広い方が自由に考えられるので、スケッチブックやクロッキー帳を使っています。
手帳を使い込むには
手帳の使い方にはいくかのタイプがあります。一つはここで主に見てきたよう、思考ツールとしての手帳。他にもライフログツールとしての手帳やポートフォリオとしての手帳、創作ツールとしての手帳などさまざまです。
しかし、どんな使い方であったとしても、それは「アウトプットのためのツール」なのです。
ひらめきや発想はカオスです。それはカオスな私たちの脳の思考のはざまからとびだしてきたものなので当然です。それを磨くということは、思考を磨くということ。
思考を磨く=深める × (視野を)広げる
ということだと考えています。なので、思考を磨く段階に使用するスケッチブックは、カオスそのものです。これはきれいかどうかよりも、思考に切れ味があることの方が重要だからさして構いません。
クリエティブな、人に見せて評価してもらうような目的の手帳はきれな見栄えであることが絶対条件でしょう。それは手帳と同時に作品でもありますから。
私のような思考ツールとしての使い方ならば、きれいに書くものという固定観念を捨て、『汚くて当たり前』と割り切らなければ本当の意味で自由に書くことができません。
この作業をスケッチブックで行って、必要とされる情報だけをシステム手帳に送ることで、より純度の高い手帳が出来上がっていきます。
また、覚えておかなきゃならないものは全て一切合切、システム手帳に預けてしまえばよいのです。GTDの考え方ですが、ひつようなものすべてを吐き出して一か所にあつめておけば、頭がからっぽになります。
ストレスフリーの頭は独特のアンテナ、思考回路をしているので、その役目を手帳に手伝わせて、クリエイティブな仕事に脳を専念させてもいいでしょう。
紙とペンさえあれば、どんなに難解な問題だって構造化されて整理されます。そうすれば必ず、解決にたどり着ける。そう考えると、私は紙とペンという最強の道具を、コンパクトにまとめて持ち歩けるシステム手帳に畏敬の念を感じずにはいられないのです。
▲今回の記事作成のためのメモ。どったんばったん加工した形跡はあまりない。シンプルでしたしね。
次回は、Twitterでシステム手帳から全く関係ない質問まで、全力で答えるQ&Aをまとめる予定です。
どしどし@salsa0941 までリプください!
以上、さるさ(@salsa0941)でした。
それでは、また次回!