Personal Organizer Lab.

システム手帳・文具中心の雑記系ウェブログ。

最強の落書きツール_Scribble(LAMY)

 「お前はどこのタイプだ?」

 と問われれば、私は間違いなくグリフィンドール寮生でして、帽子がなんといおうがスリザリンからグリフィンドールでの居候も辞さない構えです。かつて、居酒屋にてマドラーを指先で掴み、タクトでもふるうようなしぐさで、

 『ウィンガーディアムレヴィオーサ―』と唱えると、ビールジョッキや清酒入りコップがひとりでに宙に舞い、任意の人の口元まで一目散で駆けつけ食道に注がれるという凶悪魔法を駆使していた時代がありました。

 

  それこそうら若き乙女の要素が一切存在せず、私たちもお互いの体調に配慮しあいながら、そして自分に過度な負担がこないようにおそるおそる魔法の応酬を繰り広げていたからこそ、事件とかにはなりませんでした。

 その魔法を喰らったときには酩酊ヘブン状態に陥り、ホウキで空とかを飛ぼうとするのですが、ビタイチ宙に浮こうともしません。みんなでホウキにまたがって耐久ジャンプスクワット大会と化してしまい、魔法使いなのに肉弾戦といった様相を呈すことも珍しくありませんでした。

 

 やがて、そんなモラトリアムも終わりを告げ、私たちはいやいやしながらも半ば強制的に「社会」の中に放り込まれることになります。それがいまから10年程度前。懐かしく思い、いまもモラトリアムの延長を試みるのですが、なかなかうまくいきません。

 けれど、社会の中で一つ新たに魔法を身に付けることができました。

 

 一枚のカードを手に取り「シハライハカードデー」などと唱えると、ほとんどの商品をお金がなくても決済できるではありませんか。もう打出の小槌のような状態でして、ショッピングにおいてはホグワーツの秘宝としてグリンゴッツ銀行の地下に預けてありそうな魔法のカードは、私の大変けっこうな武器でした。

 

 これから社会に出るみなさんに、言っておきたいことがあります。

 「社会人になったら鉛筆(シャープペン)は使わない。ほとんどボールペンしか使わない」

 これは嘘です。鉛筆・シャープペン(以下、ペンシルと標記)は重要なツールです。テキスト・資料へのメモ書き、書類への指示、アイデア整理などは、あとから消すこともできるペンシルの方が便利です。

 私も実感していますし、中国の山奥でトマトとたまごを炒めて生活してそうな友人も言っていました。クリエイティブな思考を刺激するのは、ボールペンではなく、ペンシルである。

 

 そのような経緯を経まして、今回、無事魔法のカードが発現せしめましたので、レビューしたいと思います。

 

 

LAMY Scribble

 

 

 

 

 

 LAMYの「Scribble」です。Scribbleとは「落書き」を意味します。その名のとおり、自由なドローイングと走り書きに特化したペンだと言えましょう。この特性は手帳と非常に相性がいいのです。

 

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 今回、スクリブルの本領を発揮できる3.15mmホルダー(左)と、0.7mmメカニカルペンシル(右)を購入。1本6000円(税別)という、2本買うには少し躊躇する定価なのですが、Amazonプライムで半額以下だったのを見て即決しました。

 

 

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  正面からみた写真。さすがに3.15mmは太いですね。だいたいシャープペンシルの標準のサイズは0.7mmだとか。日本ではまだまだ0.5mmが主流ですが、これは漢字などを書くためでしょうか。

 大きな紙に走り書きするときには0.7mmの強度が安心です。3.15mmの方は、親の仇とばかりに力を込めなければ折れません。

 

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  3.15mmのモデルは写真を見ても分かる用、サイドがバッサリと切り捨てられて、フラットになっている部分があります。デッサンやスケッチなどでは持ち方を変えることによって、より幅広い表現が可能になると思います。私の場合、絵は簡単なフローとかチャートしか書かないけれども。。

 

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 シャープペンではなく、あくまで太い芯を、らくがきするために持ちやすくするホルダーです。

 太くて短く、ずんぐりむっくりなフォルムですが手に握ってみると不思議な一体感が得られます。主張し過ぎないやや短めのクリップは取り外すことができ、太い芯をクルトガみたくくるくる回すときにも何ら苦になりません。

 

 太い芯はその書き方で使い分けができます。0.7mmはある程度、一定した太さで使えるし、その太さ故になかなか折れないので快適に走り書きができますね。

 

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 中字と太字があまり変わってないかに見えるのは私の演出というかミスです。しかし、太い芯は持ち方、書き方によっていろんな線の太さを出せるんだと知ったときには新鮮でした。このスクリブルと広い紙さえあれば、どんなアイデアだって出せる気がしてきます。

 あくまで気がするだけですが。

 

 3.15mmの方はいくらくるくる回していてもいつかが限界がくるわけですが、シャープナーは付属していません。どうやらLAMY純製のものがあるらしいのですが、残念ながら近所で一番大きなMARUZENにはありませんでした。そもそも日本で販売しているのかも謎。

 なので私はステッドラーの3.15mm対応シャープナー(390円)で削っています。0.7mmはまだ手に入りますが、3.15mmの芯は選択肢がほぼない状態です。

 LAMYの替え芯は3本入りで500円。ステッドラーという選択肢もあるようですが、いずれにしろ、どこかで確保しておかないと苦労しそうな規格です。

 

 とはいえ、「落書き」を名前に冠する最強の走り書きツールという私の位置づけは変わりません。遊び心くらいの余裕がなければ、気づけるものにも気づけない。アイデアを逃してしまっているかもしれません。

 

 普段、インクばかりつかっていまして、たまにこういうペンシルで落書きをしてみます。だいたいはアイデアをひねり出すために、カオスな思考を紙に走り書きするのですが、えんぴつの字というのは書きにくさも含めて、どことなく懐かしい感触を思い出させてくれます。温かみがあるのです。

 大人の遊び道具で大人のらきがきを。おすすめできるペンのひとつです。