5年後の僕は…
朝の新幹線で危機に直面しました。『君の名は。』「ボーイミーツガール」は青少年ラブコメの定番ですが、三十路のおっさんの定番は「おっさんミーツ危機」です。非常に許し難い。
世の中には女性専用車両に対して、素敵なパッションを発露しながら反対する人々がいることを知っています。また、最近では車両内での化粧の是非を問うて物議を醸していることも知っています。私は女性専用車両にも特に思い入れはないし化粧もしないのですが、一部の女性にモノ申したいのです。
朝、私はギリギリchop!!な感じで新幹線に乗り込みます。朝食なんかどこ吹く風。ごはんより1分1秒でも長く寝ていたい。眠りながら駅をふらついて電車に乗ってますからね。ラクーンシティなら感染者と間違われて発砲されてるに違いない。
新幹線で1駅ですので、もはや自由席に座るなどということは諦めています。いつものデッキが僕の通勤車両です。かばんに放り込んでる文庫でも読んでいればあっという間に着きます。けれど、それは余裕のある帰り道での話にすぎない。
朝は熾烈で、眠るのか目を覚ますのかの瀬戸際です。それどころか、朝のお通じの気配も漂っています。規則正しい生活万歳。この日も朝から、ボディブローのような鈍痛がガンと来まして。月に一度の日みたいなのを感じながらトイレに入ろうとしたんですね。なにしろデッキが僕の指定席なので。そしたらなんとまぁ、颯爽と車両を出てきた女性がトイレに入ってしまいました。
そこはですね、規律正しい日本人です。順番なのですから、さしあたって僕のアヌスクライシス、防御壁溶融の危機はさておき、おとなしく待つほかありません。けれどその女性が入ったトイレがこちらのトイレ。もちろん女性が出たのち、「さっさと入らねぇと、おめぇ漏らすぞ!」みたいな空気を耐え忍んで僕が撮影したものです。
男女どちらも使える兼用トイレってやつですね。どちらも使えるのだけど、これがあるときって、大概が女性優先なんですよ。なぜか。
「兼用トイレ+女性専用」。プリクラみたいな扱いになってきています。男はすべからく性犯罪者とでもいいたげな強気の姿勢です。
ただ勘弁してほしいのは、なぜ女性専用トイレも空いてるのにこっちに入ったのかということ。私がいくらテイクオフ数秒前のカウントダウンでも女性専用トイレに入るわけにはいきません。そんなことしたら、普段は他人様の呼称か自称に過ぎなかった「変態」の称号が、司法のお墨付きを得てしまいます。
あのさっそうと来た女性が、女性専用トイレに入れば私は兼用に入り「Win-Win」の関係になれたのです。何に勝つのかは私にもついぞわかりませんけれども。しかし、あの許し難い暴挙により、「Win-Lose」という弱肉強食関係になってしまったわけです。僕は確実に、何かに負けてしまっていました。
何はともあれ理不尽でも待つしかしかありません。必死に般若心経とかを唱えて、トイレを交代し、無事出て手を洗おうとしたらですよ。トイレの前の洗面所、カーテンが閉められてましてね。下を見たら女性物の靴で諦めました。彼女たち、大きな鏡を使って化粧してるんですもん。会心の出来!みたいな顔面が出来上がるか、目的の駅に到着するまで絶対に出てきません。アマテラスか!
そんな理不尽の嵐に耐えながら、まるで天竺にありがたいお経をもらいに行く人みたいな道中を越えて労働しに行くのです。あまりにも辛い。
そして職場についたらついたで、サンダーバードのパイロットとデキてて無線で乳繰り合ってそうな同僚のブスがばっちり化粧してて若干むかっときました。
5年後を考えて見ます。こんな理不尽に揉まれる日々を5年も経験していくとなると、非常に忍耐強い円満な性格のダンディになっていることと思います。5年後の僕へ。危機ばかりじゃなく女性ともミーツしてますか?
5年後の自分より、今の自分の正気と頭が非常に心配です。
はてなブログ5周年ありがとうキャンペーンお題第2弾「5年後の自分へ」