2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧
『残穢』 小野不由美/新潮文庫 「事故物件」という言葉がメジャーになったのはいつの頃からだったか。この家は、どこか可怪しい。転居したばかりの部屋で、何かが畳を擦る音が聞こえ、背後には気配が漂う。人の居着かない、何の変哲もないマンションなのだ…
人間は、そこに何かがあれば我慢できない生き物だ。箱があれば開けたくなり、山があれば上りたくなる。イザナギとイザナミが、身体の余計な部分を体の足りない部分に突っ込んだことから我が国ははじまっているわけで、神様でさえ本能を抑えることが難しいこ…
『最後の喫煙者』 筒井康隆/新潮社文庫 世界は、喫煙者絶滅の危機に瀕している。
マスゲームの一環みたいなノリでミサイルが飛び交う昨今、偶然目にした映像では北朝鮮人の女性が悲痛な実状を訴えていた。好きな歌を歌う自由も、政治について語る自由もないらしい。その点、日本国民である私たちには、自由らしきものがある。
今朝、情報番組を見ながら朝食をとっていたら、突如スマホが音を立ててなりだし、それを追うようにテレビ画面が切り替わった。またもや北朝鮮の局地的エレクトリカルパレードが開催されたらしい。 官房長官は「被害は確認されていない」という。それは嘘だと…
普段は仮の姿として社会人の生活を送り、夜は自分の修行に明け暮れている。しかし仮面を一枚脱げば、その正体は「週末世捨て人」であり、週末は絶賛、世の中を捨てて回ることに励んでいる。
かつて、ケータイの主力なコミュニケーションツールは、SMSと呼ばれるショートメッセージサービスだった。 これは英数半角140文字、日本語ならば70文字。つまりTwitterのつぶやきの半分にしかならない文字数を、こともあろうに電話回線を駆使してモリモリと…
この世は欺瞞と嘘に、満ち溢れている。 きれいなものが全くないわけじゃない。けれど悪意が渦巻いているか、他人に無関心か。ほとんどはこの二つのうちのどちらだったりする。 そんな息苦しい世間体の中では「正直者が馬鹿を見る」なんて言葉が生まれるよう…
朝、起きてふらふらと外へ出た。なんの変哲もない道を歩き、駅に着く。行きつけのドトールでアイスコーヒーを注文し、一息ついた。 私はここで考え事をする。何かの目的があったり、人生で途方に暮れていたり。暗中極まり無いなかで模索するとき、頼るのは自…
Facebookを久々に覗いた。ほとんどの友人は飽きてきたのか、目新しい情報はない。 大学を卒業し、社会人となって意識が高まり、高まり過ぎた結果、途方も無い高みに上り詰めてもはや他界といって差し支えない様相を呈しながらビジネスマンっぷりを発揮してい…