自由なドローイングを可能に― ScRipt (RHODIA)
もし、自分に筆力があるなら、紙と手帳を武器にバトルする青少年どものライトノベルを書いて、流行を造り出す。そして、空前の万年筆ブームやシステム手帳回帰が起こり、その火付け役としてインタビューとか受けて女子高生たちに空前絶後の人気を誇り、ファンの中から多部ちゃんみたいな黒髪清楚な女の子を見初めて交際がスタートするんだけど、そもそも私にそんな筆力は備わっていなかった。
巷では「手帳術」なる言葉が流行っているようでして、てっきり私は暴漢や破廉恥漢に襲われた際に、手帳で完膚なきまでに殴打して身を守るすべなのかと思いましたら、単なる運用方法のことでした。
とはいえ、手帳を使い込むにあたって重要なのは3つあります。一つは想像力、一つは思考力、もう一つはペンです。
想像力なくして柔軟な使い方はできませんし、思考力がなければ手帳に書く内容は「あばばばば」一色に染まってしまう。そして、何よりペンがなければ想像力も、思考力も、それらから生み出されるアイデアを紙へ落とし込むことができません。
ここで、「そんなの当たり前だろ!」と思った方は、ごく平均的な他人に追従することができる想像力の持ち主です。私くらいクリエイティブな人間になると、想像力と思考力でアイディアを生み出しますから、想像力と思考力が同意的わいせつ行為するのか!と羨ましくて義憤にかられます。「俺も同じこと思ったぜ!」という方には次のことばを贈りましょう。「ようこそ変態の世界へ!」
すでにタイトルから地平かなたに遠ざかり、ここらでピーターパンの話でも持ち出そうとしましたが、いよいよ後戻りできなくなる地点が見えてまいりましたので話を戻しましょう。
ペンと紙の相互依存
ペンと紙は、お互いが存在しなければ意味がありません。繊細な日本人の場合は折り紙文化がありますが、それは特殊な例です。
小学校2年生のときに、あまりの天パによって「アテネ」というあだ名で崇拝された坂本くんという子がいたのですが、「だまし舟」という折り紙を覚えてきまして。
「さるさくん、船のてっぺんもって!」と言ってきたのでつまんであげたところ、船がひょいっと変形しまして、私のつまんでいるところが船の尻になってしまいました。
「おしりじゃないよ!てっぺんもってって言ったのに!」からから笑う坂本くんをみて、私はアテネな彼を崇拝していましたが、ビンタで張り倒して文字通り尻を掴み引き裂いてくれようかと思ったことを覚えています。
紙の話に戻りましょう。紙はペンがあってこそ、ペンは紙があってこそ、お互いの大きな可能性を引き出します。まさに理想の恋人といった関係ですが、私は
「私とあなたならお互いの可能性をもっと引き出して、お互いに幸せでいれる」とまでいわれた恋人が、裏で好きな人をつくっていたという矢口チックな思い出があるため人間関係におけるそれは信用しませんが、紙とペンの関係は疑いようがありません。
その組み合わせは絵画を生み、物語を生み、旋律を奏でる楽譜を生み、もはや節操がありません。なんでも生まれてくるのです。その理由は私たちの頭にありましょう。私たちの頭にはわいせつ、非わいせつ問わず、さまざまなものが溶け合って渦巻いています。そんなカオスな中からペンシルによって、その取り出す一つの輪郭を紙に写し取っていくのです。
ScRipt
ブロックメモ帳で愛用者の多かったRHODIAがついにペンシルを出しました。
せっかく手帳に、リフィルに、ノートに書く(描く)のなら、その時間をよりアクティブかつクリエティブに。そのために生み出されたのがRHODIAのScRiptコレクションです。
タイプはMECHANICAL PENCIL(シャープペン)とBALL POINT PENの2タイプ。
色はそれぞれ、シルバー、ブラック、オレンジ。近所のTSUTAYAで見つけて購入しました。
アルミの削り出しボディで、マットな質感のヘアライン加工。若干の重量は感じますがほとんど気になりません。色はRHODIAの伝統色でもあるオレンジを選択。価格はどちらのタイプも2,400円に税でした。
MECHANICAL PENICIL
シャープペンは、ペン先が見えやすい形状になっており、自由なドローイングが可能です。
シャープペンシルは、水中で書こうとでもしない限り、どんなシチュエーションでも確実に紙へ筆記可能です。ペン先が常に見えていることも非常に気持ちいです。
よどみなく紙に描きつづけられる快適さこそが、クリエティブを刺激して、よりアクティブに書けるようにしてくれるのでしょう。
ちなみに、芯のサイズは今のところ0.5mmだけみたいです。
(171207)追記:
このScRiptのシャープペンシル、何気に芯が折れにくい構造になっています。常識の範囲内で筆圧をかけても全く折れません。自由なドローイングを可能に、という謳い文句は伊達ではないですね。
しまうときも口金が引っ込んで収納されるので、ポケット等を傷つけることもありません。メモへの走り書きなども余裕でこなせる、おすすめの一本です。
BALL POINT PEN
ボールペンは低粘度の黒インクを採用したリフィルになっています。デフォルトのものでも書きやすいですし、4C規格ですので、みんなが大好きなジェットストリーム化も可能です。そのままでも十分なめらかではありますが、リフィルの値段が160円(税別)とお高めです。
最初は、ブラックのボールペンを使っていましたが、色を揃えたくなりオレンジを購入しました。
ペンの上部を観てもらえればわかるとおり、どちらもあまり違いがないので、色が同じだと引き抜くまでボールペンかシャープペンか分からないのが難点でしょうか。
しかし、クリエイティブを引き出すために設計された、と謳っており、その使いやすさは想像以上でした。もちろん、本筋の商品であるブロックメモとの相性も抜群です。
まとめ
このペン、ロディアのメモパッドを走らせれば色んなものをかけるし、そこから新しいアイディアも生まれ来るのではないでしょうか。
LAMMYのような独特のリフィル規格ではなく、互換性に優れること。そして、値段も3,000円以下と手が出しやすいので、初めてのデザイン文具にはちょうどいいのではないでしょうか。
ぜひ、機会があれば手にとって書いてみてください。
さるさ(@salsa0941)でした。