Personal Organizer Lab.

システム手帳・文具中心の雑記系ウェブログ。

籠の中のとり

 恋は人を盲目にすることは有名だが、夢もまた、追ってくる人を盲目にするらしい。そんなことを書いている自分だって見えているようで、実は世界のほんの一部しか見えていないのかもしれない。

  私は幸いにして目が不自由なわけではないので、大概のものをみることができる。しかし、それですべてが見えている気になっては視野が狭いというものだ。肝心の自分自身は見失うことの方が圧倒的に多いし、見たくても見れないものの方がこの世には多い。憧れの女性のおっぱいや一糸まとわぬ姿などはその最たる例である。

 

 ところで私は知床ネイチャーガイドの佐々木恵さんの大ファンだ。サーモスのCMでお見かけして、彼女に飲まれている魔法びんに激怒するほどのファンである。今すぐにでも、知床へ旅立つか彼女の会社の株主になりたい。一度、彼女にガイドしてもらえれば知床の自然と彼女の儚げな美しさについて一大論文を著すつもりだが、なかなかその夢は叶わないでいる。

 私は彼女の、自然に映える儚げなきれいさに惹かれているのだけれど、何に惹かれるのかといういわゆるツボは、人と人の間で大きな隔たりのある概念らしい。宗教もそうだが、性癖などというものはそれと同じくらい熾烈な議論を巻き起こす。大学時代、「妊婦もの」が大好きな阪本君を、せいちゃんという友人が道徳的観点から悔い改めさせようと説伏を試みていたときのこと。

「うるせー!獣姦好きや近親相姦好きに言われたくない!」という阪本君の反論をきっかけに熟女好きの私も巻き込まれ、紛糾したことがある。人は、決して他人とは相容れぬ自分を持ちながら生きいるものなのだ。

 

 私の親戚が、アイドルのような活動をしている。彼女はそれをおおっぴらにしていないし、まさか私が芸名を知っており、彼女のブログ等を気が向いたときに見ていることも知らないだろう。そんな彼女が、20代も半ば、アイドルとしてはぎりぎりアウトなタイミングで奮闘している。どうやらオーディションの真っ最中で、視聴者数やチェキ購入数などでランキング付けされるらしい。まさに夢が肉眼で見えるすぐそこまで来ているという状態なのだ。

 そうなるともうなにふりかまっていられない。視聴者を競うためのライブ配信が予定されているのだが、どうやら「水着」で配信するという、正に背水の陣といった作戦に打って出た。むしろ水着なら背に水があってもどこかへ逃げれそうではあるが。

 いくら夢が目前とはいえ、彼女の視野もだいぶ狭くなっている。まず水着だが、そんなもので視聴者が喜ぶとでも思っているのだろうか。世の中には大金を払ってライブで痴態を観察するアダルトチャットから、無料で素人を辱めるエロイプまで幅広いチャンネルが形成されている。そんな中に水着だけで飛び込むのはあまりに無謀ではないか。

 第二に客観的な評価である。確かに可愛いが、その可愛さは中学校の学年のトップ5レベル程度であり、芸能界で見れば掃いて捨てるほどいるという現実だ。自分の相対的なポジションも把握できないようでは、誤った戦略しか立てられない。その結果、水着配信という中途半端な策に終わってしまうのである。

 

 私は「アイドルになる」というような夢を抱いているわけではないので、目の前にそのチャンスがぶら下がってきたとしても興味がない。だからこそ冷静に見ることができる。彼女の所属している事務所が「AV出演者募集」をしていたことも見逃せない。

 

 こう考えると、価値観こそが私たちから視野を覆い隠す犯人なのかもしれない。岡目八目とは言ったものである。しかし、原因がわかったからといって簡単に除去できないところが悩ましい。わかっていても、目の前に佐々木さんがいたら速やかに土下座するとともに有り金をはたいて一夜限りの夜伽を乞うだろう。自然とかはとりあえずいいから佐々木さんのガイドを受けに北の大地へ行きたい。

 

 もしかすると、狭い視野のおかげで精神が保たれて生きているのかもしれない。知り過ぎたり見えすぎる人間は、キャパを越えて崩壊してしまうかもしれない。

 普段、手帳手帳とそこらへんのことばかり言っているのだけど、自分がどれだけこの世界を知っているのか。探るべきは、手帳の使い方ではなく、それを携えて飛び込んでいく場所ではないだろうか。そう思い至って、「素人ガールズコレクション」という素人専門のアダルト見放題サービスに登録しました。