いろは。

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森の調べ

 東京や大阪に住んでいる人はほとんどいない。それが日本の未来ビジョンだったらどうでしょう?

 技術やインフラが発達していけば、交通網もかかる時間がとても短縮されるかもしれません。埼玉から東京まで約3分とかになったら、どこに住んでもあまり仕事に支障がない。それだったらば都会から離れ、大自然あふれるローカルな地域で、東京まで約3分な生活。夜の生活もウルトラマン的な意味で約3分しかもたなかったとしても、緑にあふれた生活を送る方が精神的に豊かになれるかもしれません。

 

 どんな場所で生きていたとしても、人が生きていく上ではある程度の刺激と光合成が必要なのだとしみじみと思います。リフレッシュの方法としてぜひおすすめしたいのですが、とにかく嫌な思いをして働いて、金曜日に有給をとります。そして木曜の仕事が終わったら、コンビニで漫画雑誌やアイス、夕食などを買って職場近くのブティックホテルへと山伏のように入場あるいは突入します。それから酒池肉林三昧です。お風呂も2人以上用、ベッドも2人以上用、ソファも2人以上用。そもそもファッションホテルというのは、男女とかが事に至るために建立された建物です。そんなところに、お呼びでない空気を一身に浴びながら単騎で凸ってるわけなので、もう広々とした空間なんですね。もうお台場に屹立している等身大ガンダムのようにライトアップされるお風呂で、ジャグジーをぶくぶくやりながら、アイスを炭酸で流しこんだりやりたい放題。最後はベッドにダイブして睡眠を取ります。

 次の日。なるだけ朝早く起きて、宿泊料金をカプセルに入れて「天まで届け」と言わんばかりのノリでボタンを押し、カプセルを飛ばし、ホテルを後にします。そして一刻も早く駅に向かい、山手線に乗り込みます。そうしたら、座席を確保し、朝陽の光を浴びながら、これから出勤する人々を優雅に見送ります。飽きたら東京駅で降り、京葉線に乗り換え、舞浜で降りて夢の叶う場所にインパして金曜を終えます。これをやっても土日の連休が控えているのでとてもおすすめです。僕は恵比寿でこの一人スタンドバイミーを繰り広げていました。

 このように人にはリフレッシュがなければ、ストレスを一身に浴び続けることができません。そのリフレッシュにおいては、自然が担う役割も多いようです。眠るときに、雨の音や、小川のせせらぎ、鳥のさえずりなどを聞くと安眠できることにもよく顕れています。

 

 みなさん、音姫をご存じでしょうか?トイレで流れるBGMで、激しい水の流れる音だとかが常に流れていまして、実際に便器でGO!する際の音をカモフラージュしてくれるやつです。女性が排尿する際の音をかき消すためにあるのだとか。その配慮はその配慮で必要なものだと思うんだけれども、それは環境によるということを発見しました。

 

 僕の部署のトイレは、小便器1、大便器個室1という断捨離でも決行したかのようなミニマムな構成です。来訪者が行き来で来て、動線が入り乱れててくんずほぐれつしてるエリアのトイレは充実した環境なのに、スタッフ用となるとカップルで埋まるような個数の配置しかしてくれない。その代わりといわんばかりに、音姫もついているんですよね。男性トイレなので姫もひったくれもないのですが、小川のせせらぎと、小鳥がさえずるBGMが流れます。そしてなんとこれが止められない。tファスナーをあげて毅然と便器から立ち上がらない限り、小鳥に祝福されながら用を足すことになる。

 

 便器が複数あればなんてことないのでしょうが、大・小各1個となると、これがとても微妙なことが分かります。なにせ2つの便器しかないため、距離が近い。戸板1枚挟んだ向こう側では、誰かが小鳥たちと戯れながら力んでいることが明らかなのです。中にこもってる方としても、しゃらしゃら水が流れ、普段耳にしないような迦陵頻伽みたいな鳥が鳴きはじめる。もう、「ここで私は大をしている真っ最中ですよ」と、周りに音でPRをかけていきます。

 漏れそう漏れそうとトイレの扉を押しあけた途端、中で小鳥がさえずっていると「あぁ…」となります。距離が近いため、そこはかとなく流れているような音であっても、それが至近距離となるとそれはもうエレクトリカルパレードなみのBGMに感じられるわけです。

 

 こもるのは便意が最高潮に達したときだけではありません。むかつくことがあったとき、ツイートしたいとき、ソシャゲのゲリライベントが起きたとき。など、いろんな場面でトイレ個室は利用できます。こちらとしてはレアボスを撃破してギルドに貢献しなきゃならない真剣なときに、ことりがさえずる。個室は埋まっています、と扉をみれば一目瞭然なことを、自然の声々を借りて、排便に訪れた人々へ告げまくるのです。全くもって落ち着かない。

 

 せめて音量調節とか、中止ボタンがあればいいのに、ただひたすらに雄大な自然の一部を奏で続けるのです。あれ、まともに利用している人も大自然の中で有機物をひねり出しているような感覚に陥るんじゃないでしょうか。何の好奇心か分からないけど、扉全開にしたまま便器に座して見ても、音姫は奏で始めました。もはや癒しメロディテロであるといっても過言でない。

 

 リフレッシュにも個性があって、突き詰めるならばカスタマイズが必要です。音姫もまたしかり。トイレが落ち着かなかったら、会社に居場所はありません。自分の癒しの質にこだわってみると、全体のパフォーマンスがあがるかもしれません。