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いろは。

手帳・文具中心の雑記系ウェブログ。

夢とその覚え書き

 将来の夢は?と聞かれて、迷うことなく答えられる時代はとっくに過ぎてしまった。今の自分の夢は何か?と問うてみる。さすがに「仮面ライダー!」とか純粋無垢に言っていた幼いころとは違う。今後の人生に何を望むか、考える。夢の本質がだいぶ変わっていることに気が付いた。
 

 

 もはやいまさら華麗なる転身を求めて就職活動をしてみても、結果は火を見るより明らかだ。
 20代の終りに差しかかったところで人生のレールの大部分が見えるようになる。それなりに多少いびつで、急転直下な勾配や、それなりに楽しめそうな箇所もある。けれど本当に楽しいのは「レールが見えない状態」だ。宝くじと似たようなもので、根拠のない希望に満ちているあの状態。
 その霧が晴れて、大体のレールの姿を捉えた途端、希望は雲散霧消し、敷かれたレールの上を歩き進めていく人生がはじまる。
 
 これは一つのターニングポイントだ。これまでは、まだ見ぬ自分の人生のレールを想像し、少しでもよりよいものにしようと試行錯誤しながら楽しんできた。
 しかし、出来上がったレールは、そうそうなことがない限り大きく変わることはない。歩きはじめてからは、いかに敷かれたレールを楽しむかがカギになる。というか、むしろそれしかできない。自分の夢を整理して、少しでも人生を楽しみ、実りあるものにすることくらいしかできることがない。
 
 
 今の夢は、喫茶店を開きたい。
 広く、ゆったりしたソファがたくさんあって、暖色系の灯りが照らす室内。パジャマでも来店できるような喫茶店。新刊本も置いていて、古書の売買も行う。ゆっくりノートや手帳を広げて、万年筆を走らせられるような空気をもったお店。
 セレクト文具ショップコーナーももちろん設けてある。インクの補充やメモ、おすすめの筆記具、便利な文具など、独断と偏見で選んだ文具も一通りコーナーにそろっている。お一人様大歓迎、騒いで談笑する方お断りな、自分と向き合えるようなカフェをつくりたいのだ。しかも深夜まで営業で。隠れ民家喫茶のような。
 
 夢を語るのは私の勝手なのだけど、残念ながら土地も資本もない夢物語なのがまた悔しい。資本主義的弱者は、何か夢を抱いたとしても。資本家たる雇い主の意のままに、歯車として回り続けるよりほかに選択肢はない。今のままの自分では終わらない。きっとこの先、何かを成し遂げられる。そんな根拠も何もない自信と、それがもたらす希望だけを糧に、人は毎日生きている。でも、そんな希望の光が映えるのは、闇の中だけでのことだ。
 だからこそ人は望むのかもしれない。ある日とつぜん、突如人生が一変するような非日常との邂逅を。